お知らせ

第1回「AI for Science」に当センターからの研究課題が採択されました!

文部科学省が推進する「AI for Scienceによる科学研究革新プログラム」の一環である「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)」の第1回公募において、当センターの高際均特任教授が提案する研究課題「「瓜生イワに学ぶ官民連携組織の立ち上げ方」~当時の事業構築方法をAIを活用し現代に再現する~」が採択されました。

採択された研究課題

本研究は、社会福祉分野の先駆者である瓜生イワ(瓜生岩子とも表記。福島県出身)を対象とします。瓜生イワは、貧困者や孤児の救済をはじめとする社会事業を、行政と民間の協力を得ながら組織的に展開した人物であり、その事業構築の方法には、現代の官民連携や社会起業に通じる要素が含まれていると考えられます。本課題では、瓜生イワが官民連携組織を立ち上げた際の手法をAIの活用によって分析し、当時の事業構築方法を現代に再現することを目指します。

瓜生岩子生誕地(喜多方市)

研究の手法

研究では、瓜生イワに関する史料や記録の分析にAIを活用し、官民連携組織の立ち上げに用いられた事業構築の方法を抽出します。そのうえで、抽出した手法を現代の社会起業家の手法と対比し、将来にもノウハウとして活用できる形に整理することを目指します。歴史上の人物の実践知をAIによって現代の課題解決に接続しようとする、挑戦的で社会的意義の高い研究です。AIには、大量の史料の読解や整理、時代背景を踏まえた解釈の補助、現代事例との比較分析などの場面で、研究の高度化・加速化に寄与する役割が期待されます。

AI for Science」・SPReADとは

AI for Science」は、人工知能(AI)を科学研究に組み込み、研究の創造性・効率性を高めることで、新たな科学的発見や知識創出を加速する取組です。SPReADは、文部科学省が令和7年度補正予算により実施する「AI for Scienceによる科学研究革新プログラム」の一つであり、人文学・社会科学から自然科学までのあらゆる分野の研究者がAIを利活用して科学研究の高度化・加速化を図り、我が国独自の競争優位につながる新たな研究の種や芽を創出することを目指しています。本事業は、「迅速な支援」「AI導入に必要な伴走支援」「独創的研究の芽出し支援」の三つを柱として一体的に実施され、2回の公募を通じて計1,000件程度の採択を予定する大規模な研究支援事業であり、AI for Scienceを研究現場へ広く波及・定着させるため、国が戦略的に推進する研究支援プログラムとして位置付けられています。

採択の意義

AIの研究活用は自然科学分野で先行して進んできましたが、本課題は人文学・社会科学の領域からの挑戦である点に特徴があります。福島の歴史に根ざした人物研究と最先端のAI技術を結び付けることは、地域の歴史資源を現代と将来の課題解決に生かす道筋を示すものであり、当センターが取り組む地域貢献の理念とも合致します。地域で暮らした先人の実践を学術的に検証し、その成果を地域へ、そして未来へ還元していくことは、当センターの重要な役割の一つです。
福島大学としては、大学全体で「AIを活用した研究イノベーション」の波を広げ、地域や社会へ貢献する最先端研究を推進してまいります。

    

喜多方市内の風景               

関連情報

白河サテライト教室での講義

高際特任教授は、令和82月から3月にかけて白河市で開催された令和7年度福島大学白河サテライト教室後期講座(全5回)の講師を務めました。講座では、産業革命から情報革命を経てAIに至る流れ、SNSやスマートフォンとの付き合い方、県内の地域DX事例などをテーマに対話形式で講義が行われ、毎回50名前後の受講者が参加しました。最終回の講義では、瓜生岩子の官民連携組織の立ち上げ方を検証し、AIの時代にも通用する人間の果たす役割について受講者とともに考察しており、本研究課題と関わりの深い内容となっています。詳細は以下の活動報告をご覧ください。
令和7年度 福島大学白河サテライト教室「後期講座」全5回(活動報告)
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