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【令和8年度】合格完熟イチゴ~逆境を耐えて甘くなる~

食農学類 教授 平 修

地域のニーズ

福島県内では果樹・園芸作物を中心とした農業が盛んである一方、近年は資材価格の高騰や労力増大により、単なる収量確保に加えて「付加価値の高い農産物づくり」が強く求められています。
特にイチゴは県内各地で生産・観光農園として展開されているが、美味しさ(甘さ)を高める工夫の多くは経験則に依存しており、その効果を消費者や取引先に説明できる科学的根拠が不足しているのが現状であります。
松川市のイチゴ農家においても、二酸化炭素濃度など環境制御によって果実品質が向上する実感はあるものの、「なぜ甘くなるのか」「どのような条件が有効なのか」を客観的に示す手段は限られています。
地域では、単に農産物や加工品を販売する6次産業化に留まらず、逆境条件を活かして品質を高める栽培技術を科学的に裏付け、物語性をもったブランドとして発信することが求められています。
大学の分析・可視化技術を活用し、「逆境を耐えて甘くなる」イチゴを仮称「合格完熟イチゴ」として整理・共有する事は生産者の収益向上と地域農業の持続的発展に繋がる重要なニーズであるとともに、大学ならではの科学的知見を地域に還元する象徴的な取組となります。

活動計画

福島県内の複数のイチゴ農家協力(承諾済み)を得て、生産科学・食品科学・農業経済学を連動させた地域活性化を目指します。
➀二酸化炭素濃度など栽培条件を工夫し、果実の甘味向上を図る。
②得られた果実を対象として、LC-MSによる糖成分の定量およびイメージング質量分析による糖分布の可視化を行い、栽培条件と品質変化の関係を科学的に明らかにする。これにより、経験則に依存してきた「美味しさ」を客観的指標として整理することが課題である。
③得られた知見を基にブランド化および加工品展開を進め、成果を地域へ還元するとともに、消費者理解と評価の取得を通じて持続的な地域農業モデルの構築を目指す。
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