プロジェクト

市民中心主義と産官学民連携で取り組む復興支援活動

地域未来デザインセンター  特任准教授 藤室 玲治

実施期間:~令和63月末

福島大学地域未来デザインセンター(以下、センター)が重視する「市民中心主義」と「産官学民連携」により、また福島大学の学知と、大学生の自発的な力、12市町村および避難先に定住された住民との広域連携により、浪江町および富岡町に設置した「相双地域支援サテライト」を中心に、地域復興支援、教育環境整備、及び企画・連携の各業務に取り組んでいる。サテライト全体の取り組みについては、以下URLからWebサイトを参照いただきたい。

■相双地域支援サテライト

https://satellite.net.fukushima-u.ac.jp/

今年度、センターのプロジェクト経費を活用しての取り組みとしては「大学等の学び・研究のフィールドとしての富岡町の可能性を探るフィールド・ツアー」(以下、本ツアー)を202432日(土)~33日(日)の12日で実施した。本ツアーは富岡町役場企画課からの依頼により、同役場主催事業のプログラム開発と運営に協力し、センターが共催して実施したものである。

福島県富岡町では、今後のまちづくり、または、帰還促進、交流人口拡大および移住・定住促進に資する、大学等との連携を模索しており、首都圏等の各大学等の課題探求型授業やゼミ活動、大学生のインターンシップ受け入れやボランティア活動の受け入れを促進していきたいと考えている。

そこで、全国の大学等の教職員を対象として、富岡町で12日のフィールド・ツアーを実施し、富岡町で様々な取り組みをしている団体・個人との出会いを通して、大学等での学修や、ゼミでの研究活動、大学生等の活動のフィールドとしての富岡町の可能性を、各大学等の皆さまとともに探求したのが本ツアーである。淑徳大学、横浜国立大学、桜美林大学から教員・学生の参加があり、またNPO法人インビジブルのインターン生4名も参加し、合計13名の参加を得て実施した。

まず、富岡町役場企画課の畠山侑也さんから富岡町の現状と、自身の避難生活等についてレクチャーがあり、その後、「人が人を動かす」というテーマで、富岡町内で事業展開している5名(NPO法人インビジブル理事長・林暁甫さん、Ichido株式会社代表取締役・渡邉優翔さん、一般社団法人とみおかワインドメーヌ代表理事・遠藤秀文さん、いわき・双葉の子育て応援コミュニティcotohana共同代表・鈴木みなみさん、一般社団法人とみおかプラス事務局長・香中峰秋さん)にオムニバス形式でレクチャーを受けた。また、「富岡町を知る」ということで、「とみおかアーカイブミュージアム」を訪ね、また、昨年、避難指示が解除になった3つの地区(夜の森、小良ヶ浜、深谷)を巡った。

また本ツアーの最後に、参加各大学等の取り組みなどを報告いただき、フィールド・ツアーを通して、意見交換など大学等同士の交流を深める機会にもなった。かアーカイブミュージアム」を訪ね、また、昨年、避難指示が解除になった3つの地区(夜の森、小良ヶ浜、深谷)を巡った。

また本ツアーの最後に、参加各大学等の取り組みなどを報告いただき、フィールド・ツアーを通して、意見交換など大学等同士の交流を深める機会にもなった。

■ツアー参加者からの感想

「充実した内容で、かつ富岡のキーパーソンの話をたくさん伺うことができ、ありがとうございました。唯一無二のツアーだったと思います」「林さんの復興前と比べてよりよいものをつくろうとする姿勢、渡辺さんの戦略的に考えながらも地域資源を活かし、コミュニティと自然から離陸しない経済的価値を追求する姿勢、鈴木さんの生活者としての目線から新たに始まる改革、どの人の想いも印象に残っています。特に遠藤さんと細川さんは100年後の未来に目を向けながら自分が復興のためにできることを着実に積み重ねていて、富岡への想いも含めてとてもかっこいいと思いました」

「富岡町に関わる人たちがとても長い目でこの町の基盤を作ろうとしていること、そしてそれが富岡町の文化となることを目的としているところがとても印象的でした。とても興味深かったです。」

一覧へ戻る