地域振興・事業開発等の相談

【浪江町】幾世橋地域の防災とコミュニティ形成の取り組み(R5~)

概要

東日本大震災・原発事故により全町避難を余儀なくされた浪江町では、20173月より一部地域の避難指示が解除され、住民の帰還や移住が始まりました。
その後、町内居住者は徐々に増加し、20256月末時点で2,366人、1,523世帯が浪江町内に居住しています。
居住人口が増加するとともに、浪江町内では防災とコミュニティ組織の課題が明らかになってきています。
特に幾世橋3行政区(幾世橋、北幾世橋北、北幾世橋南)は、帰還者、移住者、復旧・復興活動に従事する一時的な居住者と、地域内には様々な属性の人たちが居住しています。
そのため、行政区長であっても幾世橋地域内の正確な居住実態は把握できずにおり、新たな住民コミュニティの形成も十分に進んでいない状況にあります。
また、幾世橋地域は浪江町ハザードマップにおいて、洪水、津波ともに大部分が浸水想定区域となっており、浪江町内でも災害上の課題を抱えている場所となっています。
このような中、近年日本全国で多発する豪雨災害や、東日本大震災のような大津波が発生した場合、住民による共助が機能せず、地域内の人たちの命を守ることができないのではないかという課題・不安を区長たちは抱えていました。
浪江町役場を介して、区長から上記のような相談を受け、地域未来デザインセンター(CFDC)相双地域支援サテライトでは、「浪江町における防災をテーマとした新たな住民コミュニティ形成の試み」としてプロジェクトを立ち上げ、本学の教員、学生とともに、浪江町幾世橋地域での防災コミュニティ形成支援に取り組んでいます。

目的

浪江町幾世橋において、従来の行政区をベースにしながら、防災をテーマにした現在の在住者を中心にした住民コミュニティの再構築を行い、
「幾世橋防災コミュニティ()」の形成を目的とします。
また、この取り組みを「幾世橋モデル」として確立し、他地域への水平展開することも目指します。

具体的な活動

【2023年度】
浪江町役場総務課防災安全係が主催する「幾世橋防災まちあるき」に協力。
本学行政政策学類西田奈保子教授とゼミ生に協力を得ながら、まちあるきの記録とグループごとの地図上へのまとめ作業をサポート。
【2024年度】
幾世橋防災コミュニティ()の組織化に向けて、定期的に区長や浪江町役場、関係者と打ち合わせを行う。

住民同士が顔を合わせる場として、交流会を2回実施。(5月、8月)
幾世橋地域全体で、今後の防災について考える場として「幾世橋防災の集い」を2回実施。(11月、3)
幾世橋地域を6つのグループに分け、グループごとに連絡係の選出、連絡網の整備を行う。
また、3月の会では、2023年度に実施したまちあるきの結果をまとめた「幾世橋防災気づきマップ」を住民に配布しながら、避難経路等についてグループごとに検討してもらった。
 (2024年度)防災の集いの様子.jpg
【2025年度】
幾世橋防災コミュニティ()の組織化・深化させるために、区長、グループ連絡係、浪江町役場等の関係者と定例ミーティングを行なっている。

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